生涯剣道
石原 垣雄先生
第12回は30年以上にわたって調布市剣道連盟でご指導いただいています石原先生にお願いしました。また旧甲州街道沿いで酒屋を営んでいらっしゃいます。その為、調布市剣道連盟はもとより、調布市内のこともよくご存じだと思います。
1.剣道を始められたのは何歳の時ですか?またその動機はなんでしたか?
高校入学時からです。小さい時から肥満児だったので体を鍛えてスリムな体型になりたかったからです。
今は初心を忘れているみたいなのでダイエット中です。
2.その頃の稽古法や稽古内容を教えてください。
高校のクラブ活動で週4日位、調布剣連で週2回稽古していました。高校で特に基礎をたっぷり仕込まれたのが今となっては良かったと思っています。
3.剣道をやめたいと思われた時期はありましたか?
やめたいと思ったこともありましたが、その原因は人間関係で剣道とは関係ないので続けることにしました。
4.忘れられない一本はありますか。
平成19年5月の名古屋での七段受験時の初太刀の面が記憶に残っています。今まで続けてきた剣道の中で一番良い打ちだったと思います。
5.恩師と慕う先生はどのような先生ですか。
故 中村伊三郎先生と故 久保範明先生です。
中村先生は元皇宮警察名誉師範で、道場では厳しいが道場を離れれば人間味豊かな素晴らしい人で今でもよく思い出します。
久保先生は高校の師匠です。初歩の手ほどきを受けました。また、調布剣連の稽古に来ましたら久保先生が稽古されていてびっくりしました。その当時調布市剣道連盟の会長であられました故 渋谷考磨先生と北京時代一緒に剣道していたそうです。世間の狭さをというか、世の不思議を知りました。
6.稽古の中で特に工夫されていることを教えてください。
生来運動神経の鈍い自分には人が1回で覚えられることも3~10回位やらないと身に付かないと思っています。
また、経験こそ師匠と思っていますが、若い時期に応じ技等を得意にしてしまったため、攻め技が弱くなった事があり、先を掛けるつもりでも待ちになってしまっていた事があるので、今は先手を取る様に初心者と稽古をしても初太刀は自分で取るつもりでいます。
7.「座右の銘」を教えてください。
沢庵宗彭の教えで 「心こそ心迷わす心なり、心に心 心許すな」。
もう一つ、とにかく努力してあきらめない事が大切と思っているので「七転八起」です。
8.剣道関連の好きな本をご紹介ください。
津本陽著「千葉周作」です。 池波正太郎、藤沢周平等の一連の時代小説の中に案外極意に近い事が書かれています。
9.最後に今の調布の子供たちにメッセージをお願いします。
今は良い指導者が多数いて練習には最適の環境と思います。持っている元気を全部道場で指導の先生達にぶつけて下さい。そしてどんどん強くなって中学、高校、大学でも選手として活躍して欲しいと思います。